大人バレエは向いていないと思っていた|40歳から始めた私の3ヶ月目の本音
この記事を書いた人: 40歳でバレエを始め、15年間通い続けたアラフィフの普通の女性。バレエ経験ゼロ、もともとバレエには興味すらなかった。
この記事は「始めてから3ヶ月、何が起きたか」の話です。 初日の体験記や持ち物については、別の記事でくわしくご紹介しています。
正直に言います。
私がバレエを始めたのは、バレエが好きだったからでも、踊りに憧れがあったからでも、ありません。
ただ、体がガチガチだったからです。
運動不足で体が硬くなっていた40歳の私が、たまたま目にしたバレエ教室のチラシ。「バレエって優雅だし、続ければ体も柔らかくなりそう」——それだけの、安易な動機でした。
ところが3ヶ月後、私は「向いていないかもしれない」という言葉と、毎週向き合っていました。
そして同時に、「でもやめたくない」とも思っていた。
この記事は、その3ヶ月間の、飾らない本音の記録です。
1. 「優雅に体を柔らかく」のつもりが、現実は別世界だった
バレエを始める前の私のイメージはこうでした。
白いスタジオで、優雅な音楽が流れて、先生がやさしく体をほぐしてくれる——そんな、ゆったりとしたストレッチ教室のようなもの。
実際は、まったく違いました。
レッスンが始まった瞬間から、フランス語が飛び交います。プリエ、ルルべ、タンデュ、デガジェ——聞いたことのない言葉が次々と出てきて、先生はどんどん進んでいく。
周りの方たちはすっと体が動いている。私だけが、何が起きているかもわからないまま、隣の人の足元をひたすら見ていました。
「思っていたのと違う……」
1ヶ月目は、その戸惑いだけで終わりました。
2ヶ月目に入ると、少しずつレッスンの「雰囲気」はわかってきました。バーに手を添えて、音楽に合わせて足を動かす。フロアに出て、列になって移動する。流れそのものは、なんとなく頭に入ってきた。
「これは慣れの問題かな。もう少ししたら自然についていけるようになるはず」
そう思っていた3ヶ月目に、二つの「壁」にはっきりと気づいてしまいました。
2. 3ヶ月目に気づいた壁①:順番が覚えられない
「そろそろバーレッスンの流れを覚えていてもいい頃なのに」
3ヶ月目、毎回のレッスンでそう思いながら、それでも頭の中は「次は何?」でいっぱいでした。
先生が動き始めると、私はまず先生か隣の方の動きを確認してから動く。自分から動き出せたことが、3ヶ月間でほとんどなかったのです。
「記憶力の問題なのかな」「そもそも運動神経がないのかな」
同じクラスに通っている方たちは、先生の声かけが終わる前にもう体が動いている。その光景を鏡越しに見るたびに、「みんなは覚えているのに、なぜ私だけ」という気持ちが積み重なっていきました。
ただ、冷静に振り返ってみると——あとになってわかったことですが——バーレッスンの「順番を覚える」というのは、思っているより時間がかかるものなのです。
人によっては半年、1年かかることもある。でも3ヶ月目の私には、「遅れている自分」しか見えていませんでした。
3. 3ヶ月目に気づいた壁②:見よう見まねで一拍遅れる
順番が覚えられないなら、と私が試みたのが「見よう見まね」でした。
先生や前の方の動きをじっと見て、そのまま追いかける。頭で順番を思い出すより、目で見て体を動かすほうが早いはず——そう思ったのです。
でも、これには決定的な問題がありました。
見てから動くので、必ず一拍遅れる。
音楽に合わせてみんながポーズを決めた瞬間、私だけがまだ移動中。鏡を見ると一目瞭然でした。
「リズム感の問題?」「体の反応が遅い?」「それとも、根本的に向いていないの?」
自問自答しながら帰宅する夜が続きました。
そしてある夜、ふと気づいてしまいました。
「見よう見まね」は、いくら練習しても解決しない構造的な問題かもしれない、と。
見てから動く、という行為そのものが一拍を生む。それは努力でどうにかなる問題ではなく、「先に動く」ために順番を頭に入れるしかない。でもその順番が覚えられない——という、出口の見えないループでした。
| 私がやったこと | 起きたこと | 本当に必要だったこと |
|---|---|---|
| 前の人を見て動く | 見てから動くので一拍遅れる | 順番を先に頭に入れておく |
| リズムに乗ろうと意識する | 動きを考えながらだと音楽から遅れる | 動きを体に染み込ませる時間 |
| 毎回「今日こそ」と力む | 焦りが体をさらに硬くする | 「遅れても大丈夫」という開き直り |
「私、向いていないんじゃないか」
3ヶ月目の私は、毎週この言葉を抱えながらスタジオに向かっていました。
4. それでも続けた理由——クラシック音楽に身を任せる時間
では、なぜやめなかったのか。
答えは単純です。
クラシック音楽に身を任せている時間が、楽しかったのです。
順番を間違えても、一拍遅れても、レッスン中に流れる音楽の中に自分の体を置いている感覚だけは、毎回確かにありました。
バレエのレッスンで流れる音楽は、日常生活ではなかなか触れないジャンルのものです。その音楽に合わせて、不格好でも体を動かしている時間。
「覚えられなくても、遅れていても、この時間だけは好きだ」
気づいたら、そう思っていました。
体を柔らかくしたいという最初の目的は、3ヶ月たってもほとんど達成されていませんでした。でも、それとは全然違う「何か」が、週1回のレッスンに私を向かわせていた。
向いていないかもしれない。 うまくなれないかもしれない。
それでもやめたくないのは、その時間そのものが好きだったから——3ヶ月目に私が気づいたのは、壁だけでなく、そのことでもありました。
| 始めた理由 | 3ヶ月後に気づいたこと |
|---|---|
| 体を柔らかくしたい | ガチガチの足首が少しずつほぐされてきました |
| 子どもの頃の憧れの習い事 | 40歳の大人でもできるかも |
| それでも続けていた理由 | 優雅な音楽に身をゆだねる心地よさ |
5. 「向いていない」と「やめない」は、両立できる
この記事を読んでいる方の中には、こんなふうに思っている方がいるかもしれません。
「3ヶ月通ったけど、全然ついていけない」 「向いていないのに続けても意味がないんじゃないか」 「うまくならないなら、やめたほうがいいのかな」
3ヶ月目の私も、まったく同じことを思っていました。
でも今、15年続けてきた立場から言えることがあります。
「向いているかどうか」と「続けるかどうか」は、別の話です。
向いていなくても、続けられます。 うまくならなくても、その時間に価値を感じているなら、それで十分です。
私は「クラシック音楽に身を任せる時間が好き」というたったそれだけの理由で、15年間続けてきました。華麗に踊れるようになったわけではありません。今でも一拍遅れることがあります。
それでも、続けてよかったと心から思っています。
「向いていない」と「やめない」は、両立できる。
3ヶ月目に壁にぶつかって、やめようか迷っているあなたに、一番伝えたいのはそのことです。
| こう思っていませんか | 別の見方もあります |
|---|---|
| 向いていないなら続けても意味がない | 「向いているかどうか」と「続けるかどうか」は別の話 |
| うまくならないなら時間のムダかも | その時間を心地よいと感じているなら、それで十分 |
| 続ける理由が見つからない | 続ける理由は、小さな美意識かもしれません |
この記事のまとめ
| 壁 | 私がぶつかったこと | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 壁① | 順番が覚えられない | 半年〜1年かかる方も多い。焦らなくて大丈夫 |
| 壁② | 見よう見まねで一拍遅れる | 体が音楽を覚えていく、その過程をゆっくり楽しんで |
| 壁③ | 向いていないかもしれない | 続ける理由は、小さな美意識かもしれません |
この記事が、3ヶ月目の壁にいるあなたの背中を少しでも押せたなら嬉しいです。
同じ経験をされた方、コメント欄でぜひ聞かせてください。
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